マグショットとは容疑者が逮捕直後に警察署内で撮影される顔写真。胸のあたりに所轄警察署の名称と記号番号が付された札を掲げているあの写真のことです。
本書はアメリカで逮捕された著名な歌手、俳優、スポーツ選手44人のマグショットを掲載し、彼らの罪状を記した一冊です。原著は96年刊。
あまり感心しない本です。
マグショット自体に特段興味を引く点はありません。著者はおそらく、普段はメイクもしっかりと決めて華やかなライトのもとで整った写真をとられることに慣れた著名人たちが、マグショットの中では逮捕直後の混乱で疲弊困憊した素顔をさらしているという、その対比の妙を狙ったのかもしれません。確かに喧嘩や飲酒運転によって負傷した無残な顔をカメラに向けている人物が2人だけいますが、残りの人々はやはり私たちが知っているセレブの顔でしかありません。
また、日本語の翻訳がまずいのか、それとも英語の原文が稚拙なのか分かりませんが、写真に添えられている各著名人たちの犯歴を説明する文章は、覗き見的な関心すら満たすことができないほど浅薄で味わいのないものばかり。キアヌ・リーブスが映画「スピード」のヒットを目前にした時期に飲酒運転で逮捕されたときの経緯は300字にも満たない実に淡白な書きようです。
誤訳もありそうです。
ヒュー・グラントが売春婦を買って逮捕されたときの様子については、「定期巡回をしていたニューヨーク市警巡査」二人が「ハリウッドの」道辻で彼を捕まえたと書いています。(80頁)
西海岸のカリフォルニアをどうして東海岸のニューヨークの警察官が「定期巡回」するのでしょうか?
他にもLos Angelesを「ロサンゼルス」と書いたり「ロサンジェルス」と書いたりしています。おそらく複数の人にまず下訳をさせているのでしょうが、やはり最終的な翻訳責任者が語句の統一を図るべきです。
数々のアメリカの有名人の逮捕写真を綴ったこの本、
我が国では有り得ないですね。
よくパロディで日本の芸能人がやってたりしますが、
こちらは本物。
勇ましいやら情けないやら、是非一度読んでみて下さい。
私的にはジェームス・ブラウンの罪状がたまりません。